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  • AutorenbildMakoto Takeda

Zoom会議で同時通訳を使う場合のコツ

Zoomはもともとビデオで会話をするために生まれてきたツールなので、会話のしやすさがその本領の一つだと思います。その会話のしやすさの実感が、実際どういったデザインとテクノロジーによって生まれてくるのかはかなり奥の深い話。さて、今日はその会話のしやすさがもたらす「穴」について、またそれにはまらないための工夫について考えてみました。

もともと(逐次通訳ではなく、)同時通訳を使う理由は、「通訳者の存在を忘れられるほどに」自由に会話ができるため、と言えます。つまり、同時通訳はそもそも会話のしやすさを実現するひとつのカラクリです。

本来、同時通訳が入っていることを忘れられる、というのは願ったりでしょう。特にプレゼンテーションの場合はそうです。質疑応答やディスカッションの場合はしかし、「間に同時通訳が入っていることを意識する」方が良いのです。なぜでしょうか。

それは、同時通訳というものは、本当に「同時」ではなく、常に若干のタイムラグを伴った通訳だからです。同時通訳者は話者の発言を真正に「時に」再生しているわけではなく、聞いて分析し、解釈しながら、少し遅れてついていきます。

ポンポンと調子の良い「生き生きとした」会話は小気味良いものですね。そこでは話者が目まぐるしい勢いで交代していくということが起きます。しかし同時通訳はタイムラグが発生するため、通訳を聞いている人からすれば、画面上で発言している人と、耳から入ってくる通訳とがずれてしまう、ということが起きます。すると、今の発言は誰のものか、という相応関係がわからなくなってしまうのです。

だから、同時通訳が入っていることをあえて意識して、隙間なくすぐ発言するのではなく、手をあげて発言意思を表示したあと、少し間を開けて発言するのが良いのです。前の発言の通訳が終わった頃合いを想像で見計って話し始める、ということです。

通常の会議システムと違って、Zoomの面白いところは、オリジナル音声を20%、通訳音声を80%の音量で聴ける設定になっていることです。このカラクリによって、通訳を聞きながらも、話者とオリジナル音声を頭の中で紐付けることが常に可能です。同時通訳の「タイムラグ」が「聞こえる」ようになるのです。とは言え、自分の言語以外の言葉に通訳が行われているのは聞こえないため、別言語の参加者にとっていつ通訳が完了したのかは分かりません。そのため、やはり、発言と発言の間に意図的に間(ま)を置く訓練を、会議の参加者全員がしておくと良いと思います。

これがうまくいくようにするのは、会議の司会者の腕の見せどころだと言えます。間は、「頭の中でゆっくり三まで数える」くらいが良いと思います。

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